売却活動の「長期化のリスクとその影響」 ~知らずに進めると損をする、不動産売却の落とし穴~
売却が長期化すると「価格」「印象」「心労」に大きな悪影響をもたらす 不動産を売却しようとしたとき、多くの方が抱くのは「できれば高く、早く、スムーズに売りたい」という思いでしょう。 しかし、現実には売却が予定より長引いてしまうケースも少なくありません。 売却活動が数ヶ月、場合によっては半年~1年と続いてしまうと、さまざまなデメリットが発生してきます。 つまり、「長期化のリスクとその影響」を正しく理解し、早い段階で対策を講じることが、売却成功への近道なのです。 時間が経てば経つほど、物件価値と売却意欲は下がっていく 売却が長期化すると、主に以下のような影響が出てきます。 ① 市場での「鮮度」が落ちてしまう 物件情報はインターネットに掲載され、常に多くの買主が目にする状態にあります。 最初の数週間がもっとも注目されやすい“旬”の時期であり、ここで反響がなければ、「売れ残り」として見られる可能性が高まります。 たとえば、スーパーの野菜売り場を想像してみてください。 朝並んだばかりの野菜と、夕方になっても残っている野菜――どちらを選びたいと思うでしょうか。 物件の印象も同じなのです。 ② 値下げ圧力が強まる 売却期間が長くなると、購入希望者から「そろそろ値下がっているのでは?」と見られることが多くなります。 実際、不動産会社からも値下げ提案をされるようになり、「当初の希望価格で売る」ことが難しくなっていきます。 ③ 売主自身のストレスと負担が増える 「なかなか売れない……」という焦りや、「また内覧の準備か……」といった負担が積み重なり、売主自身の気力にも影響してきます。 モチベーションが下がると対応の質も低下し、それがまた売却のチャンスを逃すという悪循環に陥ることもあります。 ある売主様の事例:半年の長期化で見えた課題と改善策 京都市左京区で築25年の戸建てを売却しようとしていたDさん。 価格は相場よりやや高めに設定し、大手不動産会社1社に仲介を依頼。 最初の1〜2ヶ月は内覧が数件あったものの、その後はパッタリと反応が途絶え、半年以上経っても成約には至りませんでした。 Dさんは次のような見直しを行いました。 仲介業者を地域密着型の会社に変更し、こまめな打ち合わせを実施 価格を100万円下げ、チラシやネット広告の内容も刷新 写真の再撮影とホームステージング(家具の配置や照明の工夫)を導入 その結果、1ヶ月以内に新たな内覧が5件入り、2組から購入申し込みがあり、無事に成約へと至りました。 Dさんはこう振り返ります。「もっと早く行動していれば、時間も手間ももっと少なく済んだかもしれない」と。 “長期化しそう”と感じたら、すぐに手を打つことが最大の防御 売却活動において一番避けるべきは、「様子を見ているうちに長期化してしまった」という状態です。 状況の変化を見逃さず、柔軟に戦略を見直すことで、長期化の悪循環を断ち切ることが可能です。 次の章では、長期化を防ぐために売主として今できる5つの対策をご紹介します。 解決策編|売却を長期化させないための5つのポイント 1. 価格設定は「強気すぎず・弱気すぎず」が鉄則 価格は買主がもっとも注目するポイントです。いくらでも下げられるから高めに設定しよう……ではなく、「適正価格+戦略的調整」が重要です。 複数の不動産会社に査定を依頼し、価格帯の傾向を掴んだうえで、「市場の期待値に近い価格」に設定しましょう。 2. 「3ヶ月目」は見直しのタイミングと考える 売却開始から3ヶ月が経っても内覧数や反応が少ない場合は、「何かがズレているサイン」です。 価格の再検討、物件写真の更新、担当者との販売戦略の見直しなど、タイミングを逃さずに調整することがカギとなります。 3. 内覧への備えで印象アップを図る 物件自体に問題がなくても、内覧時の対応が不十分だとチャンスを逃します。 最低限、以下は押さえておきましょう。 照明を明るくし、空間を広く見せる 香りや空気の入れ替えを意識する 家具や小物の配置で「生活のイメージ」が伝わるようにする こうしたホームステージング的な視点は、買い手の「住んでみたい」という感情に直結します。 4. 担当者とは「毎週やりとり」を意識して 仲介業者にすべて任せきりにするのではなく、週1回は進捗や反響を確認する習慣を持つことが大切です。 たとえば、 アクセス数(ネット掲載ページが何人に見られているか) 問い合わせ件数とその内容 内覧者の反応や傾向 などを共有してもらうことで、より効果的な判断が可能になります。 5. 時期や相場の動きを意識して柔軟に対応する 不動産市場は常に動いています。 とくに4〜5月の新生活シーズン、9〜10月の転勤シーズンなど、需要の高まる時期を見越してスケジュールを調整することが望ましいです。 また、国の政策(金利の動向や減税措置など)によっても、買い手の動きは変わります。 タイミングを逃さないためにも、信頼できる不動産会社との連携が欠かせません。 まとめ|長期化のリスクを知り、先回りの準備をすることが成功の近道 不動産の売却において、計画通りに進まないことは珍しくありません。 しかし、「時間が経てば売れるだろう」という受け身の姿勢では、かえって損をする可能性が高まります。 「長期化のリスクとその影響」をきちんと理解し、売却活動の初期から戦略的に動くこと。柔軟な姿勢で状況を見直すこと。 そして、信頼できるパートナーとともに進めていくことが、納得できる売却への一番の近道です。 左京区の不動産情報はテライズホーム。 地域密着の豊富な実績と丁寧な対応で、あなたの不動産売却を全面サポートいたします。 ご相談だけでもお気軽にどうぞ。